2013年7月16日火曜日

2013-07-12~14北アルプス:雲ノ平(その2)

雲ノ平山荘は数年前に改築されたようで、真新しい木造の柱と、モダンな内装がマッチしてイイ感じ。
食堂には、静かにジャズを流してる。
入口入った広間では、手作りでもう少し改装するのか木材をノミなどで作業されていた。

靴下の替えが1つしかなく心配だったので、交換し終わったのを水だけで手もみして乾燥しようと乾燥室へ持って行くも、
何だか部屋は湿っていて、誰も衣服をぶら下げていない。
小屋の人に尋ねると、乾燥機が故障で使えないとのこと。
(いや、靴下一足だけのために火を付けれないと言われた)
仕方なく部屋に適当にぶら下げておいた。乾くわけもない。
雨の日だったらどうしたんだろう???

部屋は、10枚ほどの布団があるところに、私と、3人のシルバー登山者の4人で利用。
混雑する時は、一枚の布団に二人の場合もあるので、超極楽気分。
荷物なんかもその辺に開けっぴろげ。



耳栓を忘れて、夜中眠れないか心配だったけど、3人の方は、前日殆ど寝てないとのことで、食後すぐに布団に入って朝までゴソゴソすることもなかった。私の方は、物音が気になったわけではないのにうまく眠れず、1時間毎に目が覚める感じ。ただ、眠れなくとも体を休めることを意識してリラックスできた。

深夜から雨風の音が強く、2日目の天気は期待できそうにない。

朝食は5時。
えっ、また鮭? 別に、、、いいけど。。。



天気が良ければ、雲ノ平周りを朝食前に散策したり、いくつかあるコースをあっちこっちうろついたり、双六岳に寄ったりする予定だったが、この天気では取り敢えず、水晶岳を目指して、最悪、三俣山荘泊でもいいかと6時過ぎに出発。

ガスの中、雪渓にあるペンキ状のマークを頼りに黒部源流を目指していくと、「雪が多いので通行止め」の標識。
そう言えば、山荘でそんな話してたの耳にしたかな。。。他の山荘は、見えるところの白板にコースの状況を掲示してあるんだけど、どうもココでは見当たらなかった。

仕方ないので、祖父岳経由で水晶岳を目指しワリモ北分岐へ向かおうとルートを探す。
しかし、このあたりの雪渓にはマーキングがなく、ルートファインディング出来ない。。。
朝早いので、他の登山者のトレースも見当たらずあっちこっちコンパス頼りにうろついて、一瞬ガスが晴れてそれらしき方向に頂上が見えたので、岩場を無理やり登る。
そう大した距離ではないので何とかなったけど、マーキングぐらいしっかり付けておけよ。
山荘の内装と登山者の安全とどっちが大事やねん。

祖父岳からワリモ北分岐も雪渓が多く、トレイルが埋もれてしまっているのに、マーキングなし(-"-;)
かろうじて、朝早い登山者のかすかな足あとを頼りにガスの中進んだ。。。神経使う。

分岐辺りは、ものすごい強風。
これでは水晶岳はムリだろうけど、時間も早いので取り敢えず水晶小屋まで行って見ることにした。



小屋に入ると、登山者と小屋の可愛いお姉ちゃんが話をしている。
「三俣山荘の方は、鷲羽岳辺りがここよりも風が強いのでお薦めしていません」
はぁ?

「取り敢えず、水晶岳登ろうか」
「そうですね、どれくらい風強いか登ってみて下さい」
へ?

思わず尋ねた、「この強風の中、登るんですか?」
「今登らないと、次、何時登れるかわからないんで」

そうなんだ、こんな強風なのに登れるんだ、
なんて人間バカなんだろう、って思いつつ、自分もザックをデポして空身で行くことに^_^;

こんな強風でガスだらけの中、山頂に登ったって何も良いことないのに、ただのアホと思いつつ、
いや、この状況で頂上をたどる過程を楽しめばいいじゃないと言い聞かせてみる。
3000m級の岩場で雨風打ち付けられながら前に進むって、その先に大事な目的がなければやっちゃイカンやろ。
それを、「登ってみて下さい」「はい」って、どうかしてるぜ(笑)


水晶小屋へ戻ると、昨日雲ノ平山荘でご一緒したシルバーさんと遭遇。
「鷲羽岳の方へ行ってみたんだけど、雨風強すぎて戻ってきたよ、今日はここで泊まります」
えぇっ!まだ10時ですよ。
聞くと、3,4日は余裕持って来てるから良いって。 慣れてらっしゃる。

さて、私は三俣方面へ行かねば。
だめなら、雲ノ平の方から帰るしかない。
天気予報は、明日のほうが天気悪くなると言っていたのでなおさら。

ワリモ北分岐の先は、なるほど間違いなく風雨は更に強い。
前にいた3人の登山者は風にあおられて立ち尽くし、思案している。

私は、ポールを片づけ四つん這い覚悟で姿勢を低くして突き進んだ。
ワリモ岳から鷲羽岳までは、落ちたらアウトな所をこれでもかと雨風に打ち付けられた。
雨も大粒になり、顔に当って痛い。気温がそれほど低くないのが幸いだった。




鷲羽岳を越えれば後は下りで、風もやや弱くなり事なきを得た。
三俣山荘へ着くと、シルバー登山者4人が出てきて、水晶の方へ行けるかどうか尋ねてくる。
一度、鷲羽岳へ登ったけど戻って1時間待機していたそうだ。
行けるかと聞かれても仕方ないんだけど、時間も早いし、低姿勢で行って下さい、お気をつけて!
って、無責任というか、責任ある発言できないっし。。。

三俣山荘はかなり大きな山荘で、外付けで食堂があった。
玄関に入り少し休ませてもらってから三俣蓮華岳へ。
もうお昼近くだし、何かトラブルあってはいけないので、双六岳なんてパス。
明日に余裕を持たせるために、黒部五郎小屋を目指す。

三俣蓮華岳回りも雪渓が多く進みづらかったけど、マーキングはしっかりしていたので、迷うことなく、ガスの中進んだ。



黒部五郎小舎への最後の下りは長い岩場で、膝と足の裏がじんじんするのに耐えつつ、
次の日もあるのでムダな負荷がかからないように進む。

14時到着。



今日もお布団を一枚いただく。宿泊客は今のところ4名。
部屋に入る頃には、また大雨が降りだした。
こんな雨の中、岩場を下らされなくてよかった。

ここは乾燥室充実していたので、ありったけ乾かした。

足の裏はふやけて、ふやけたもの同士が押し付けあって全体にヒビが入ったような深い溝が出来て、ものすごく痛い。
乾いても溝はなかなか修復せず、普通に歩けない状態。

後で到着して、おとなりの布団になった男性登山者さんがトレランに興味を持たれて、
夕食時には、持参の日本酒をご馳走になって山の話を楽しんだm(_ _)m
群馬の方で、高瀬ダムから野口五郎小屋に泊まって、明日は新穂高の方へ行くとの事だった。

天ぷらとか色々、美味しかった。


この日は活動時間は短かったが、かなり疲れた。
17時の夕食後すぐに布団に横になった。

6時30分発、14時着
7時間30分、距離14km、累積標高1300m







(その3につづく)




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