季節ごとにその姿を楽しませてくれる大峯。
今回は、台風に耐える大峯を一緒に体験すべく行ってきた。
台風は直撃ではないが、紀伊半島の南東から暴風雨が襲ってくるはず。
16日の昼には通り過ぎて天気回復の予報なので、一番接近するのは15日の深夜。
明るい時間に直撃するのを体験するのがベストだけど、
今回はビバークの練習も出来ればちょうどいいかも。と思っていた^_^;
いつも行く早駈周回を2日に分けて行くことになり、時間的に余裕があるかと、
拠点はいつもの天川村役場として、みたらい渓谷、観音峰、法力峠で山上ヶ岳へ向かうことにした。
06:30発
小雨で、意気込んでピークシェル羽織ってみたけど、暑くって、ナイントレイルズにスグ着替える。
先週と同じく、体調不良。歩いて、立ち止まって、何とか観音峰展望台。
青空がまだ覗いている。
背の高いすすきは相変わらずだけど、歩道を示す真新しい杭が施されて歩きやすい。
法力峠までは、観音峰を経由して軽いアップダウンが繰り返されて、案外しんどい。
稲村岳小屋手前で雨は本降りとなり、ピークシェルにお着替え。
でも、そう大したことなく、まだまだただの雨だ。
大峯山寺は、さすがにお参りの人がおられた。
直撃する時はお寺の扉を閉めるんだろうか。。。
小篠の宿の小屋に、縦走者と思しき男性一人。
なるほど、縦走者にとっては台風など一過の事なのか。
風雨は強くなってくるけど、別に大したことなし。
風雨の強さだけだったら、今年の水晶岳の方がよほど強い。
大普賢岳も一応登って、先を急ぐというよりは、雨風を堪能しつつ進む。
行者還岳の水場は沢になっていて、いつものホースから水が出ていない。
採水口が壊れたのかもしれない。
もう一本のホースからちょろちょろと辛うじて出ていたので、ハイドラパックに詰め込んで小屋へ向かった。
15:30行者還岳小屋着
小屋には、白足袋を脱いだ縦走者が一人、シュラフにくるまっていた。
挨拶をして、、、大部屋に相席でもいいんだけど、隣の個室も空いてるし、ってことで、
個室の方に陣取ってしまった。
その後、数人の縦走者と思しき方がやって来たような物音がして大部屋に入られた。
何だか申し訳ない気もしたけど、あのタイミングで個室を残してご相席ってのも変やし、、、^_^;
10畳以上の部屋を独占して、荷物を開けっぴろげ、備え付けの毛布を贅沢利用。
ストックシェルターでビバーク練習してみようと思ってたけど、
疲れたし、風雨の中の作業をイメージしただけで心折れた。
部屋の中でも、濡れた衣類を干したり、体を拭いたり、水濡れの対処が大変だ。
前回のビバーク練習の反省から、普通のタオルをひとつ持ってきたけど直ぐにベタベタになってしまった。
体の冷え対策が第一で、
下のスキンズ400はそのまま、上のファイントレック黒のフラッドラッシュスキンメッシュに
縞々のフラッドラッドアクテイブスキンを重ね着して、
薄手のTシャツ、ユニクロのステテコは無いよりマシ程度。アルプスの山小屋はいつもこんなかんじでOK。
Bivvyに入ってじっとしてみる。
室温17度ほどで、危険な領域でないものの、体が濡れているのでまだ寒い。
指先のしびれがなかなかとれないので、ファイントレックのパワーメッシュインナーグローブ装着、
替えように持ってきたマックスドライ靴下も履いてまたしばらくじっとする。
これらは薄手で家にあったものを取り敢えず持ってきたってだけ。
まだまだ手探り状態^_^;
タオルは無いよりマシだったけど、もっと水をすぐに吸収して繰り返し使えるアイテムはないもんだろうか。
セームタオルとかどうだろう。。。
食料は、サタケのマジックライス(アルファ米)炒飯、わかめご飯、カレーピラフの3つ。
モンベルで購入。水入れて60分で出来上がる。味もそこそこ悪く無いと思う。
400Kcal弱でおにぎり2個ぶんぐらいかな。
炒飯食べて、物足りないのでわかめご飯に水を入れて、また1時間じっとする。
時間はたっぷりある、風雨の音をBGMに明かりのない中じっと座禅を組むように座って待つ。
疲れたのか苦もなく眠りに落ちた。
23時頃、ジェット機のような風雨の音に目覚めたがすぐにまた眠った。
4時半頃起床。まずはカレーピラフアルファ米に水を注いで、出来上がるまでに荷造り。
風雨は昨日より少し強いかな。
出発前の予報では、昼には天気が回復だったはず。
今日は弥山経由で河合に降りるので、7時間弱の予定だ。
少し出発を遅らせれば楽かもしれないけれど、それじゃ何のためにここに来たのか分からなくなる^_^;
乾いていないウエアを羽織って外に飛び出す。6:45。
大部屋の方々は、ゆっくりしているようだった。
予想通り、風は西風に変わっている。
それでも昨日より強いかな。
朽ち果てた立ち枯れの樹木が何本か折れていた。
でも、予想したほど大したことない。
マゾヒストもずぶ濡れになってくると、トレイルの水たまりを避ける事もなくなり、
子どものようにびちゃびちゃ突っ込んでゆく。
いつもぬかるんで泥まみれになりそうなところも水で固く締まっているのか苦ではなかった。
理源大師像を越えて登りに入ると、これを越えればお楽しみも終わりかと残念な思い。
弥山小屋の避難小屋は、いつもシーズン中は外の扉だけ開いているのに、この日は内側の鍵も開いていて、中にはいることが出来るようになっていた。
天候が悪いと開けてくれているんだろうか。
10分程雨宿りして八経ヶ岳へ向かう。
弥山からの岩場の下りは沢状態で、迂回も出来ないのでそのままジャブジャブこけないように降りていく。
八経ヶ岳の看板は斜めに傾いていた:-)
後は樹林帯だから、のんびり雨を楽しむ。
高崎横手や、天女の舞あたりのトラバースでは、普段現れない沢が勢い良く流れていたり、
斜面ではなく、突然傾斜から噴き出している伏流水?みたいなのもあって賑やかだ。
天川村へ降りる直前でもトレイルが沢になっていて、これが最後とジャブジャブ沢下り?を楽しんだ。
予報通り、下界に降りる頃には天気は回復していた。
役場の駐車場は祝日というのに車が多い???。役場の方が休日出勤?
のんびり帰り支度をして、309を下って行くと所々で川が反乱した跡がある(@_@)
水の神様神社あたりは床上浸水したようで、橋には流木が引っかかってるし、
畳が持ちだされていたりする(@_@)
後でニュース見て、嵐山とかひどかったのを知った。
局所的に被害は生じるのね。ある閾値を超えるといけないんだろう。
大峯にとっては、日常茶飯事の出来事だったのではなかろか。
ふり返って、、、
雨の大峯を堪能できたのは良かった。
雨風自体は、3000m級で経験した程ではなかった。
ただ、低いところで及ぼされる影響は体験できたかな。。。
雨風の中のビバークは、今の実力ではとてもムリ。
ストックシェルターを風の弱いところに設置したとして、
濡れたウエアや体をメンテ出来ない。何とか水を排除するアイテムが必要だ。
もう少し気温が低かったり、標高の高いところを想定すればなおさら。
今回は、デジイチ持って行かなかったし、ポールとシェルターはただのお荷物だった。
まだまだお山の楽しみは尽きそうにないな(笑)
感謝。